• 胸部一般撮影時の場所による水晶体被ばくに関する基礎的検討
  • 1)日本医療科学大学 保健医療学部 診療放射線学科 2)中央医療技術専門学校 診療放射線学科 3)群馬パース大学 保健科学部 放射線学科
  • 筆頭演者:角田佳祐(1
  • 共同研究者: 池野利一1)、延澤忠真1)、秋葉憲彦1)、桑山潤1)、田口好晃2)、加藤真一2)、小川雅之2)、今尾 仁3)
  • 【目的】2011年のICRPソウル声明にて水晶体等価線量限度の見直しが勧告された。胸部一般撮影の様々な場所によって水晶体の被ばく量がどの程度変化するのか検討した。
    【方法】蛍光ガラス線量計を診療放射線技師に見立てたファントムの眼球上に設置し、胸部一般撮影を想定して撮影室内、撮影室ドア前、操作室にてそれぞれ100回曝射を行った。撮影室内は介助者を想定しており、撮影室ドア前では開閉状態それぞれで測定を行った。その後DoseAceにて吸収線量を測定し等価線量を推定した。
    【結果】X線管に近い順に線量が高く、最も高い箇所は撮影室内の介助者であった。
    【考察】胸部一般撮影を1日に50件、1ヶ月(20日)、1年(12ヶ月)行ったと仮定した際、水晶体の等価線量は操作室および撮影室ドア前においてはソウル声明で勧告された「5年間平均で20 mSv/年、かついずれの1年においても50 mSv」を超えないが、撮影室内は実施回数制限または防護の必要性が示唆された。