診療放射線技師会の情報を提供いたします。

報告

第32回埼玉県診療放射線技師学術大会開催報告

大会長 田中 宏
実行委員長 今出 克利

 第32回埼玉県診療放射線技師学術大会が平成30年3月4日(日)に、大宮ソニックシティにて第1会場を国際会議室、第2,3会場は市民ホールを使用して開催した。参加人数は、257名(会員(埼玉)179名、会員(県外)10名、非会員15名、学生9名、賛助会員42名)であった。
 大会テーマは、『業務拡大から7年、そしてこれから~』とした。平成22年、厚生労働省通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」には、診療放射線技師を積極的に活用する業務として「画像診断等における読影の補助を行なうこと」「放射線検査等に関する説明・相談を行なうこと」が明記され、また、平成27年には、診療放射線技師法の一部改定が行われ、CT、MRI検査等の造影剤注入後の抜針・止血や、下部消化管検査の実施、画像誘導放射線治療時の腸内ガスの吸引のためのカテーテル挿入の業務内容の拡大が行われた。それから、法改正に伴う統一講習会が開催されているが、埼玉県の受講率は関東近県と比較しても低率であり、本学術大会を通じて受講率向上に繫がれば幸いです。
 大会内容は、一般演題29演題・学生演題6演題、シンポジウム「業務拡大から7年、そしてこれから」、学術特別企画「国際学会で見た最新の放射線技術と気になるトピックス」、学術委員企画「業務拡大で求められる救急医療の知識」を行い、その他、リーディングコーナー、機器展示の参加企業は21社であった。市民公開講座は、「3D画像による人体解剖学体験」と題して、メーカーにご協力頂きワークステーションを用いて、小中学生向けに3D画像作成や人体解剖学を学習するイベントを行った。特別講演は、公益社団法人日本診療放射線技師会の熊代正行副会長に、「業務拡大の現状と課題、そしてこれから」をご講演頂き、また、ランチョンセミナーには、公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」の代表である大住力氏をお招きして、「あなたの役割は何ですか?ディズニーと難病を患う家族が教えてくれたこと」をご講演頂いた。
 平成30年度の埼玉県診療放射線技師学術大会は、第35回日本診療放射線技師学術大会を平成31年9月に大宮ソニックシティにて開催するため延期となります。是非、今から演題発表の準備をして頂き、全国大会にエントリーしてみてはいかがでしょうか。


【リーディングコーナー 成績優秀者】
 胸部部門:白石広子(熊谷総合病院)
 MMG部門:折原あゆみ(イーストメディカルクリニック)
 MDL部門:山村慎二(西大宮病院)
 CT部門:茂木雅和(彩の国大宮メディカルセンター)
 MRI部門:丸武史(済生会川口総合病院)
【最優秀演題賞 一般演題部門】
5.ノイズ低減処理における有用性の基礎的検討
 埼玉県済生会川口総合病院
 井上友貴、土田拓治、森一也、戸澤僚太、内藤完大、富田博信
【優秀演題賞 一般演題部門】
28.64列MDCT高速撮影における撮影条件の組み合わせが画質に与える影響
 埼玉医科大学総合医療センター
 千葉佑香里、白石健吾、河田誼人、松澤浩紀、栗原良樹、中根淳
12.画像任意回転機能の臨床使用への検討
 上尾中央総合病院
 樋口誠一、堀夢子、飯泉隼、内田瑛基、藤巻武義、滝口泰徳
【優秀演題賞 学生演題部門】
32.低MUビーム照射と出力変動について
 日本医療科学大学 保健医療学部 診療放射線学科
 白鳥洋子、佐藤洋、桑山潤