2007

No.3

埼玉放射線Vol.55

■巻頭言

「Second Stage Start」
埼玉県放射線技師会  会長  小川 清
 本会は昭和26年11月(1951年)に設立され、昭和63年(1988年)に法人組織となった56年という歴史のある技師会です。本会がここまで発展してきたのは、先輩の強い指導力と会員の皆様の御協力、御支援の賜と理解しております。このたび総会にて会員の皆様のご承認をいただき平成19,20年度、2期目の会長を務めさせていただくことになりました。私自身の中では延長戦のないSecond Stageという認識であり、認めていただいた事業計画を完結させるよう努力していく所存です。

 新体制について、会長、副会長は再任させていたきましたが、常任理事3名、理事3名、そして地区理事は6地区中4地区にて交代しました。つまり半数が入れ替わったことになります。本会の役員の平均年齢は他県技師会と比べて若いのでが、前期に比べさらに若くなり、平均年齢42歳となり、おそらく日本で一番若い技師会役員と思います。法人組織の役員就任はご本人や家族に負担がかかり、快諾をいただけないことが間々あるのですが、今回かわっていただく理事の皆さんには期待される技師会、会員が満足する技師会創りに共感をいただき就任させていただきました。職場におかれましては若い役員が、仕事がしやすいように、より一層の支援と励ましをいただきたく、所属長のご配慮をよろしくお願いいたします。また今年度から技師職以外の外部監事制度を導入しました。この点に関しても時代の流れをつかみ、透明性と公開性を高めるためにも必須な事柄とご理解いただきたいと存じます。

 構造改革に伴い医療経営の仕組みが大きく変化するなかで、病院経営においては、より効率的な経営が求められ、放射線部門においても単なる検査数の増加策のみで立ちゆかない状況になりつつあります。効率性優先の社会になりますと「お金」の動きも変わり、つまり事業として「これだけお金がかかる」のだから「お金を出してくれ」という時代から「これを実行すれば効果があるで最低限の経済的担保してくれ」という状況になっていると思います。そのような状況のなかで、放射線技師は、「患者さんのために仕事をし、病院にこのくらい貢献している」ということをアピールしていかなければ合理化策に埋没してしまいます。そのためにはどうしたらよいでしょうか。それは放射線技師の仕事をもっときちんと評価して、所要時間や難易度のみならず、必要とされる専門知識や経験力を評価し「これだけのモノをつくってる」を分析し「これだけの資金がかかっている」というデータをもって検討していかないと問われます。そして検査所要時間のみならず、その前後に実行している機器の日常点検、患者確認、患者への説明なども評価に加えていくべきです。それらを統計処理的なデータとして社会から信頼できるレベルまで持ち上げていかなくてはなりません。その仕事は一部始まっているようですが、本会でもデータを提供するのみならず分析できるようにしたいと考えております。

 医療の高度化に伴い専門性が問われることは当然であるからして、認定技師が雨後の竹の子状態で誕生している現状は、技術の高度化、標準化を広める意味では貢献することは事実でありますが、とりあえず立ち上げておくという様な印象もあり、長続きせずあるところに収束する可能性もあります。本会は認定技師の方向性を考慮しつつ生涯教育制度を日本放射線技師会の制度を絡めて、独自に再構築していきたいと考えております。

 これからの技師会は放射線技術向上のみならず公益法人として社会に、県民に貢献できる事業を展開していくかが問われます。公益法人の移行を正確に、迅速に、スムーズにできるよう役員一同すすめていきます。いままでの経験を生かして、さらに技師会を発展させていく所存ですので、是非とも御支援、御協力の程よろしくお願いいたします。